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2016年12月3日土曜日

[Q&A][知的財産権]商標権を取得する意味って?小規模事業者にも効果ある?取得判断の目安は?

皆様お疲れ様です。最近毎記事鹿島アントラーズネタを前書きに持ってくる点、申し訳なく思っている(が、反省などしていない!)にったです。

今晩は「Jリーグ  チャンピオンシップ2016 決勝(第2戦)」。正直、窮地に追い詰められている状況ですが、ここまで来たら”鹿島ファミリア”を信じてただただ応援するのみ!

泣いても笑ってもリーグ戦(とその関連)としては2016年最後の試合ですからね。

「献身・誠実・尊重」の哲学を胸に、最後まで戦いきりましょう…!


さて本日は、「商標権」に関して極めて本気なご質問をいただきましたので、以下の通りご回答させていただこうと思います。


Q1「商標権を取得する意味・意義って何?」

A1「商標権を取得すると、自分が製造・販売などしている商品やサービスの『名前』や『マーク』を他社(他者)に勝手に使われない権利を得ます。」

例えば、僕が「ピボーテパートナーズ」という名称で商標権を取得すると、僕が提供している業務と同一・類似の業種に関しては、僕以外の誰も「ピボーテパートナーズ」という名称を使うことができなくなります。

もし『「ピボーテパートナーズ」という名称の認知度やブランド価値、素晴らしい!使わせてよ!』だとか『代理店になりたいよ!』などという方が出てきた場合には、ライセンスする(商標を使用することを許可する)という形で使用料を得ることができたりもします。


Q2「小規模事業者にも効果あるの?」

A2「実際に僕のお客様(小規模事業者の方)で、取得した商標権を使って差し止め請求をし、認められたケースがありますよ。」

「関西デザイン組(仮名です。実際の名称や業種は異なります。)」という名称のコミュニティ(会員制サロン)を運営している方がおられるのですが、そのコミュニティの設立から数年が経ってから、「大阪デザイン組(こちらも仮名です。)」という後発の競合コミュニティが現れました。

「関西デザイン組」のメンバーは当初そのことを知らずに活動を続けていたのですが、ある日新しく入会を誘った方からこのような指摘を受けたそうです。

『「関西デザイン組」って、「大阪デザイン組」のパクりじゃないの?』

突然こんなことを言われたら誰でもびっくりしますよね。「いやいやいやいや、パクりちゃうわ!」って。「関西デザイン組」のメンバーたちもご多分に漏れず、少なからず驚かれていました。

また、そのことをきっかけにそれまでに勧誘などを行った方の動きを精査したところ、勘違いをして「大阪デザイン組」に入会してしまった方が多くいることも分かりました。

つまり、同じような名称を使われることで、顧客が奪われる状態が起こっていたということですね。

さて、これに対する「関西デザイン組」の対応ですが、「これはさすがに実害が大きすぎる…」ということで、事前に取得しておいた商標権を使って「大阪デザイン組」に対して類似する商標を使用することについて差止請求を行いました。

結果、無事に「大阪デザイン組」という名称を変更してもらい、その後は誤って顧客が他サロンに流れることもなく、「パクリじゃないの?」と言われることもなくなった…!

実にめでたし、めでたしですね。

…という事例が実際にありました。「関西デザイン組」さんは紛うことなき小規模事業者さんですが、商標権を取得しておけばこういう動きを取ることができる、という点を皆様にも頭に入れておいていただければと存じる次第です。


Q3「商標権を取得した方が良い基準とか目安とかってある?」

A3「その名前やマークを使用している商品やサービスから『年間1万円以上の粗利益が出ている』場合は、とりあえずマイナスにはなりません(※1区分のみの権利取得の場合)。」

ものすごくザックリですが、年間の維持費(※取得にかかる費用(専門家の手続代行費用込み)も年平均でならした金額で算入して考えています。)は1万円~2万円というのが実際のところです。

つまり、年間たった1万円程度の「価値」を見出せさえすれば、商標権を取得するメリットがあると考えて良いということになります(”保険”みたいな意味合いで年間1万円掛けておく、という感覚でも良いと思います。)。

この『年間たった1万円程度の「価値」』という点ですが、僕の本業(経営管理)に置き換えて具体的な基準を設定してみますと、「その商品やサービスから年間1万円以上の粗利益が出ている」といったあたりになるものと存じる次第。

…年間1万円以上の粗利益…ほとんどの自社製造商品・自社提供サービスが当てはまることになりそうですね…(決して商魂たくましい訳ではありません。僕の見解をただ粛々と述べているだけであります。誤解なきよう。)。


しかし、Q&Aで記事を書くってめちゃくちゃ楽ですね。質問に回答するだけで1記事出来上がる…うーん、素晴らしい!(マテ

…などという冗談は置いておいても、割と真面目に、質問をいただくというのは「読者の皆様が知りたいこと」をダイレクトに知ることができるということなので、本当にありがたいことなのですよ。

「小規模事業者にとって有益なこと」をメモしていくことが目的の本ブログ…これはこれで極めて真っ当な”ネタ選定”の方法だと思いますし、今後も皆様からお気軽にご質問などいただければと存じている次第であります。

2016年11月19日土曜日

[知的財産権][法務]知的財産権や契約(書)というものに対する常識や感覚を変えていく必要があるよね、というお話

皆様お疲れ様です。久々に知的財産権や法務の話題に触れるということで、筆(否、キーボードか)の進みが俄然遅いにったです。

元々は法務畑から事業を開始したんですけどね…。

2011年頃のポジショニング変更(端的にいえばジョブチェンジ!)の効果(マイナスの意味も含みます。)がしっかりと出ている模様であります。


【専門家が教える、中小企業の「失敗しない知財戦略」 by ニュースイッチ】
https://newswitch.jp/p/6791

(特に特許権に関して)まだまだその取得・維持のための費用は高く、小規模事業者や中小企業にとって「興味はあるが、予算が組めない」というのが正直な感覚である知的財産(権)に関する諸々の制度。

記事中の
ここ4、5年でみると、日本の中小企業は特許や商標、国際特許の出願件数が増え、知財の有用性が認識されつつあると思う。ただ、制度自体が、たくさん出願している企業向けになっているため中小企業にとっては使いづらいのではないか。
という指摘について、まさに的を得ているなぁと感じているところであります。

知的創造サイクルは、創造、保護、活用の3つを回す仕組みだが、これまでは「創造が起点」だった。一部の企業では、ビジネス構築とは別に「いいアイデアが出たので、まずは特許を取ろう」という考え方が見受けられる。今後は特許取得の目的をはっきりさせた上で、その特許を事業にどう生かし活用するかを考え「活用が起点」にしないといけない。
こちらの指摘もまさにその通りで、現状、まだまだ(特に中小企業で)「作ったものを『守る』こと」が知的財産権取得の第一の意義とイメージしている組織が多いですよね。

このあたり、やはり今後は「作ったもので『攻める(=協業やライセンスなどで利益を生み出す)』こと」に考えの軸足を移す方が、経営上のメリットも感じやすくなるのではないかと思われるところであります。


ちなみに、仮に「作ったもので『攻める(=協業やライセンスなどで利益を生み出す)』」ようにしていく場合には、「契約」に対する考え方もセットで変えていく必要があると思うんですよね。

特に「別れることを前提に合弁契約を」という記事内での話はまさにそのとおりだと考える次第。


こちら、日本では「始まる前から別れることを前提にする(また、緻密な契約書を作る)のは、相手を信用していないことと同義だ」みたいな感覚があります(最近は少しづつそうでもなくなってきていますが…)が、そういった感覚を改めていく必要があるということになります。

(たしかに、日本国内での中小企業同士の取引であればある程度なんとかなってしまう部分もあるんですけどね…。)

大企業や海外企業との取引を行うなど、事業を拡大すればするほど様々なリスク(コミュニケーションが上手く取れないリスクなども含みます。)が大きくなるもので、上記の感覚が通用しなくなっていくことに留意しておきたいです。

2016年9月22日木曜日

[知的財産権]「スーパーサイヤ人」が登録商標であることって知ってました?

見た瞬間に思わず「ふふっ」となったひとネタをご紹介。

大半の方はまさか「スーパーサイヤ人」が商標登録されてるなんて思いませんよね?(え?知ってたって?僕が知らなかった方がマズいのか…!?


ちなみに、諸々新しいことを始める時に、その会社名や商品名・サービス名など…について事前に商標調査を行うことって本当に大事です。

その一手間をかけずに事業を開始した場合に、

「多大なコスト(労力やお金)をかけてようやくある程度知名度が上がってきた!少しづつ世間に浸透してきた…ようやくこれから利益を回収するフェーズだ!」

というドンピシャのタイミングで他社の商標権を侵害していることが判明し、名称使用の差止請求を喰らったりしたら…

これ、割と真面目に泣けます(そして、実際にこの事例でうちに駆け込まれたこともあります…)。


僕の実感として、著作権や商標権などといった知的財産権に対する世の中の”敏感度”は年々高まっているような感じを受けています。

特に商標権(商標法)というのは普段馴染みのない方にも「分かりやすい」権利であるだけに、事故が起こった際にはそのダメージもひとしおだと感じるところです。

※逆に、特許権・特許法や著作権・著作権法あたりは比較的「分かりづらい」気がしています。それはそれで事故が起こると面倒なことになるのですが…。

という訳で、たとえ中小企業や個人事業主であっても、知財に対してコストをかける必要性というのはそろそろ無視できないレベルまで来ているんじゃないかなぁ、と感じている次第。


まぁ、予算や人手、その他諸々の制約があることは重々承知しているんですけどね。

重々承知の上で、それでも何らかの意識を持ち・具体的な動きを行っていただきたいな…と密かに願っているところなのでございます。


ちなみに、冒頭のひとネタの続きですが、取ってる商標権は威力重視とのことでございます。
「威力重視」という言葉が何故かツボにハマりましたよ。実に不覚です…!!

2016年3月15日火曜日

[知的財産権]海外でうどん屋を始めたら「看板にUDONって書いたらダメ!」と商標権侵害を指摘された事案

元Jリーガーの石塚啓次氏、スペインで商標トラブルに巻き込まれる by ドメサカブログ
http://blog.domesoccer.jp/archives/60044386.html

「UDON」で商標権が取られていたとは…!

事業が軌道に乗って名前が知れ渡ってから商標権侵害を指摘され、結局その名前が使えなくなった―ということはそれなりに聞くお話。

店舗名や商品名・サービス名などなどを決める時は、事前の商標調査も忘れずに…ですね。